Consuming My Life

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【ネタバレなし】GOTY2021に選ばれた”It Takes Two”をレビューします

先日書いた記事”2021年にプレイしたゲームを振り返る - Consuming My Life” で2021年にプレイしたゲームの振り返りをしたんですが、そのあとすぐ新しいゲームに手を出してしまったので延長戦です。

ではさっそく。

総評

It Takes Twoはいうならディズニーランドでした。そしてアクションゲームながら万人受けするだろう秀逸なレベルデザインでありつつ、めちゃくちゃプレイヤーを選んでしまうようなゲームデザインは本当に草。

私から言えることは唯一つです。このゲームはねんごろな異性とやれ*1

It Takes Two”ってどんなゲーム

この章ではIt Takes Twoのゲーム内容の説明とゲームの中で良かった点を評価していきます。ただ、最初に言っておきますがそれらの説明や評価はこのゲームの本質ではないです。そこについては詳細後述しますが、私が言いたいことは「かんじんなことは 目に見えないんだよ」ということです。

ゲーム概要

まずこのゲームは2人プレイ専用の3Dアクションゲームです。1人ではプレイできませんし野良マッチングの機能もないので、友人、恋人またはパートナーがいないぼっちピープルは買ってもプレイできないです。また、このゲームがすごいのはアクション苦手な人やゲーマー×非ゲーマーのようなペアでもプレイできそうなレベル感なところです。

操作するキャラクターは夫婦を模した人形で、男性側と女性側のそれぞれが違う能力を持って一緒にステージを攻略する非対称協力プレイになります。しかも、各ステージごとに能力とゲーム性が大きく異なっていて、スプラトゥーンのようなTPSゲームみたいになったり、Hadesのような平面2Dアクションゲームの様相になったりと、全く飽きさせないです。ステージ自体も魅力的ですね。グラフィック自体が非常にきれいですし、脇道におまけ要素がいっぱいあってゲームを一直線に進めないような遊び方もおすすめできます。

アクション部分

ステージ道中のアクション要素にはロープアクションもあり、一見非ゲーマーには難しいような高難度に見えますが、アクション成功タイミングの"遊び"が大きくて意外とできちゃいます。アクションできる箇所にはキチンとボタンアイコンが画面に表示されますし、エイムが必要な場面だとかなり強めにアシストが効いていて非常に手触りがいいです。また、基本的に1アクション場面ごとにリスポン場所が設定されており、何度も失敗するもののやりなおしのストレスがほとんどなく進められました。

ボス戦もアクション要素がしっかりあります。自機狙い弾が飛んできたりタイミング図っての回避行動が要求されたり、ボスの攻撃もまともなアクションゲーム並のハードさがありました。ボス戦でのレベルデザインで秀逸なのが、キャラが2人とも倒れてようやくゲームオーバー(=ボス戦リトライ)となるところです。つまり、パートナーがリスポンしている間敵の攻撃をやり過ごせば負けはしない、ということです。これは特にゲーマー×非ゲーマーでプレイしているときに生きてきますね。基本的にはゲーマー側が生き残ってキャリーするようなプレイにはなります。ただ、アクションゲーマーでも普通に何度かはデスしてしまうようなアクション難度なので、非ゲーマー側もそのときに頑張って生き残るだけで”役割”が持てます。そのあたり、パートナー同士で助け合ってる感がありましたね。もちろん道中も常にそうなんですが、やはりボス戦は緊迫感があるのも相まってよりそう感じます。(道中は逆にわざと意地悪してみて遊ぶとかも楽しいですね。スイッチで掛けた橋をパートナーが渡ってる途中にスイッチから足を外して落としてしまうとか)

謎解き部分

謎解き要素についても高評価です。結構ノーヒントなゲームなんですが、能力の積み上げをしないことで脳を使う負荷を一定にするのがすごいなと思いました。例えばゼルダだと終盤は今まで集めた色んな道具から謎解きに使うものを探す必要があるというように、ゲームが進むにつれて選択肢が増えてプレイヤーが考える負荷が大きくなるレベルデザインとなっています。一方このゲームではステージごとにキャラの能力がつけ変わっていく仕様になっています。なので各ステージ中に使い方を悩む必要があるのは常にたった2つの能力だけです。もっというとそもそも2人でやるゲームなので操作キャラが持っている能力をどう使うかだけを考えてればゲームクリアできます。これは非ゲーマーに対する負荷をかなり意識してるんじゃないかなあと思いました。

で、かんじんなことって?

このゲームはよくできてます。グラフィックもすごいしアクション要素も良く出来てます。操作性やレベルデザインも時間かけて調整してるんだろうな~~~って開発者の努力を感じます。でもおそらくこのゲームの開発者がプレイヤーに体験してもらいたいのはそこじゃないんですこのゲームがプレイヤーに体験してほしいもの、それは大切なパートナーとのコミュニケーションですこのゲームにあるすべての要素が、そのために存在しています。普通、ゲームプレイの体験自体がプレイヤーにとっての最高の体験になるようにゲームは作られると思いますが、このゲームは違います。プレイヤー同士が最高の思い出を作る”きっかけ”になるようこのゲームはデザインされています

これに気づいてホント「どひゃああああああああああああ」ってなりましたわ。プレイし始めたころは「よくできてるけど、、、なんでこれがGOTY(Game of The Year 2021)*2?」って気持ちでしたが、理解してからは納得。正直このゲーム、私も含め大半の人は2周目は1周目にくらべ色褪せると思うんです。だって新鮮な気持ちでこのゲームをプレイした2人が織りなすコミュニケーションがこのゲームの価値だから。私のゲームへの評価基準は「2周、3周プレイしても面白いか?」ですが、このゲームにその基準は当てはまりませんでしたね。こういうゲームもありなんだなぁ、今後増えていくのかなぁとか考えちゃうくらい自分にとっては衝撃的なゲームでした。

このゲームを手にとれ、もしキミにねんごろな異性がいるのなら

というわけでガチマジでこのゲームは初回プレイが大事なので、初めてはねんごろな異性とやってください。そういう人がいなければ初めては大事に取っといてください。おそらくこのゲームが一番アツくなるのは、”めっちゃ仲良くてそろそろ恋人になりたい、なれそうな異性"とプレイするときです。もしアナタにそういう人がいれば迷わずこのゲームを手にとって、誘ってみてくださいね。

おいそこのキミ、まだ仲良くなっていない異性を誘うなよ。最初のデートにディズニーランドは選ばないだろ。そういうところだぞ。

*1:表現の簡便さと伝わりやすさのため、ここでは異性と表現していますが同性愛などの性の多様性を否定する意図や考えは全くございませんことをご承知おきください。また、このブログに記載している内容は個人の見解であり、所属組織を代表するものではございません。

*2:https://www.4gamer.net/games/514/G051498/20211210095/